パワースライドとは、通常のウィールの回転方向に対し垂直または垂直に近い角度でウィールを滑らせるトリックです。
[やりすぎ完全解説]
[TRICK VIDEO]
今回は”F/S(フロントサイド)”、つまり前側のパワースライドをご紹介します。
スケーターレベル★★
こなれ感 3
危険度 2
爽快感 2
応用度 4
おしゃれ度 3
[習得しておきたいトリック・スキル]
エンドオーバー、エンドウォーク
パワースライドって何?
ストリートスタイルのスケーティングでは、頻繁に使われるトリックになります。
・180°系のトリックでは、足りない回転分を着地後に補う”ドライブ”として応用。
・ブレーキングの方法として、ダウンヒルやフルプッシュ時に減速する際に使用。
使う場面は、この2パターンが多いですね。
パワースライドをメイクすることで、本来のウィールの回転方向にとらわれず、自由自在にスライドをコントロールでき
”滑るを楽しむ”
ことができます。
スケーターならば、ウィールと路面とが擦れる音を聞けば心躍ること間違いなし!!
スライドさせたウィール越しに足元に伝わる地面の凹凸や、小さな砂礫の感触…
そして、摩擦の限界を超え悲鳴を上げながら横滑りするウィールの音…
これはまさに
”五感で楽しめるトリック”
と言えるでしょう。
原理
パワースライドは、「運動する物体は運動し続ける」という”慣性の法則”によって成り立っています。
つまり、
“通常の進行方向に向かって進むボードを素早く真横に向け、ウィールの回転が急に止まってもボード自体は止まらずに進み続けようとする力”
によって可能となるトリックです。
カーレースなどで見られるテクニックの”ドリフト”を想像してもらえると、わかりやすいと思います。
より長い距離をスムーズにパワースライドするためには、ある程度のスピードが必要となります。
HOW TO パワースライド
・スタンス
ノーズ足は、前のトラックのビス上付近(ウィールの上)に
テール足は、キックの立ち上がりからテール先端までの間に置きます
・上体の向き
肩とデッキは平行もしくは軽く進行方向に開きます。
パワースライドの動作
1.プッッシュで十分な加速をつける
2.基本スタンスで、腰を落として”ため”を作る
3.肩と腰を進行方向に開のきながら、上体から伸び上がる
4.テールを押し込むようにして、一気にデッキを横にスライドさせる
5.両足を進行方向に向かって伸ばし、かかとでウィールを押して滑らせる
6.進行方向に開いていた腰と両足を戻しながら、デッキを通常の向きに戻す
7.ひざのクッションを使ってデッキを安定させる
8.通常のスタンスに戻る
パワースライド”2つのコツ”
パワースライドをメイクする時は、2つの大切なコツがあります。
ボードを素早く横にする
ボードを真横に向ける速度が遅いと、ウィールと地面の摩擦抵抗が大きくなりスムーズなスライドができなくなってしまいます。
直進の勢いをできるだけ殺さないようにするためには、全てのウィールに均等に体重を乗せ素早くボードを横にしましょう。
両方のかかとでウィールを押す
デッキを進行方向に対して素早く横に向けたら、両足を身体より前に伸ばしウィールを押します。
この時、両足のかかとに体重を乗せ”かかと側の2輪のウィール”を押すようにすると、スムーズにスライドできます。
パワースライドは、硬めのウィールがオススメ
パワースライドのやりやすさには、ウィールの硬さが大きく関わってきます。
路面への食いつきの良い柔らかいウィールよりも、硬めのウィールの方がスムーズにスライドさせることができます。
そのため、パワースライドやドライブといったテクニックを多用するストリートスタイルでは、硬めのウィールを選ぶ人も多いです。
ウィールの”パンク”に注意
ウィールの一部が異常に削れたり欠損してしまう現象を”パンク”と呼び、乗り心地が極端に悪くなります。
ウィールを酷使するパワースライドでは、このパンクのリスクが常に付きまといます。
ある程度硬いウィールを選ぶことでウィールの消耗を抑えることはできますが、パンクを完璧に防ぐことはできません。
オススメのウィール
僕が使ってきたウィールの中でオススメなのが、
SPITFIREのFORMULA FOUR(スピットファイヤ/F4)
BONESのSTREET TECH FORMULA(ボーンズ/STF)
です。
この2つは
・耐摩耗性
・乗り心地
・スライド性能
など、ウィールに求められる性能を高次元で実現したウィールで、ストリートで滑るスケーターには愛用者がかなり多いウィールの大定番です。
通常のウィールよりも高価なウレタン素材(次世代ウレタンなどと呼ばれる)を使用しているため、価格も高めとなっていますが、スライドさせやすいのにパンクもしづらいためパワースライドをするにはピッタリのウィールです。
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