ベアリングメンテ-何故メンテが必要なの?の続きで実践編です。
僕たちHIGHVOLTAGE SKATEBOADING(略してHVSB)流のベアリングメンテナンスの方法
用意する道具
「スケートレンチ」、「ベアリングオイル」、「パーツクリーナー」、「精密マイナスドライバー」、「空き瓶」、「ウエス等」
さらにあると便利なものは、「ベアリングプレス機」、「ドライヤー」になります。
デッキからウィールを外す。
スケートレンチを使ってアクスルナットを緩めウィールを外します。
※スケートレンチはスケボーをメンテするうえで絶対に必要です。
1つは持っておきましょう。
ウィールからベアリングを外す。
トラックのアクスルシャフトを使ってベアリングを外します。
硬い場合があり力が要るのと怪我に注意しましょう。
トラックのアクスルシャフトを使ったベアリング外しは定番の方法です。
しかし、アクスルシャフトのネジ山部分を消耗させるやり方になります。
用意できれば、写真のようなベアリングプレス機を使うことをオススメします。
またベアリングが外せたらホコリなどで外側が汚れているので軽くティッシュなどで拭き取っておくと良いでしょう。
シールドベアリングならシールドを外す。
シールドのタイプにもいくつかあります。
・NINJAなどで使われているメタルシールドは外せませんが、裏側はリテーナーが見えていると思います。
・最近では最初からシールドの付いていない「シールドレス」というタイプもありこの場合は外す必要はありません。
画像は左からラバーシールド・メタルシールド・シールドレスのベアリングです。
ラバーシールドを外すとき、インナーリングとシールドの隙間に細い物を差し込んで浮かせるように外します。
このときナイフの先端などを使うとラバーシールドをキズ付けてしまうので精密マイナスドライバーを使うと良いでしょう。
またマイナスドライバーなどを差し込んだ際に中のリテーナーをキズつけないよう先端ができるだけ接触しないように注意します。
ベアリングの洗浄。
今回は、KURE パーツクリーナープラスチックセーフを使ってリテーナーを外さず洗浄していきます。
ベアリングを指でつまんでリテーナーの隙間にパーツクリーナーを吹きます。
パーツクリーナーの噴射力によってベアリングが回転し中の汚れが飛び散ります。
※勘の良い方はお気づきかもしれませんが、部屋の中にベアリングの汚れが飛び散りますので部屋を汚したくない場合は空き瓶を用意して下さい。
空き瓶にベアリングを入れて、ある程度浸るくらいになるまでパーツクリーナーを吹いて液を溜めます。
蓋をして瓶をシェイクすると汚れが出てくるので、しっかりキレイにしたい場合は1度中の液を捨て洗浄を繰り返します。
重要なポイント
ベアリングの洗浄をするのですがここが一番重要な部分になります。
古くは洗浄に灯油を用いたり、ホームセンターの安い普通のパーツクリーナーやアルコール類を用いたやり方などを観たことがあります。
しかし僕たちHVSB的にはナンセンスです。
前にも書いた通りベアリングメンテナンスは、リテーナーをできるだけ劣化させない事がキモとなります。
“通常”のパーツクリーナーなどの石油系溶剤の多くは、リテーナーなどの樹脂素材を溶かします。
溶けて形が無くなるまではなくとも、リテーナー自体をもろくさせてしまいます。
そうなると、軽い衝撃でも割れやすくなります。
その為、樹脂を傷めない(痛めにくい?)パーツクリーナーを用意しましょう。
パーツクリーナーは、お馴染みのベアリングブランドからも専用のものが販売されています。
他にも僕が使っているものもあるのでいくつか紹介します。
オススメのパーツクリーナーは
・NINJA ベアリングパーツクリーナー
・KURE パーツクリーナープラスチックセーフ
どれも樹脂類を痛めずらいことをうたっている商品ですが、ホームセンターで一本\300円程度で買える普通のパーツクリーナーより割高になります。
なんでリテーナーを外さないの?
洗浄前にリテーナーをベアリングから外してしまう方法があります。
金属部分のみになったベアリングになら、高価なパーツクリーナーや専用品ではなく安価な洗浄液を使用しても問題ありません。
実際リテーナーを外した方が隅々まで汚れを落とす事ができるかもしれません。
リテーナーを外すのは、ラバーシールドを外した時のように精密マイナスドライバーのような細い物を差し込めば外すことができます。
しかしリテーナーを外す際に、キズをつける危険性があります。
既に消耗しているリテーナーなら、このタイミングで破損してしまう可能性もあります。
そんなベアリングの弱点とも言えるリテーナーなので、あまり脱着はしないほうがいいと考えています。
そのためリテーナーは外さず洗浄する事をオススメします。
ベアリングの乾燥
洗浄したベアリングを乾燥させます。
使用するパーツクリーナーによって乾燥の速さが変わってきますが、中にクリーナーが残った状態で新しくオイルをさしても、オイルが流れてしまいます。
しっかりと乾燥させましょう。
さらに洗浄の段階で吹いたパーツクリーナーが、揮発する際に気化熱でベアリングが冷たくなります。
冷たくなったベアリングに水滴が付き、それがサビを発生させるのでドライヤーを使って素早く乾燥させてしまうのが良いでしょう。
ベアリングにオイルをさす。
洗浄後のベアリングは、脱脂状態になっています。
そこで新しいオイルをさすのですが、さす量に気をつけてください。
多すぎるオイルはベアリングのなかで抵抗となり、回転性能を落としてしまう原因となります。
内部に薄い油膜ができれば十分なので1~2滴くらいでいいと思います。
外したシールドを取り付ける
今メンテナンスをしているのはメタルシールドタイプのベアリングの為、シールドは取り外してません。
メタルシールドは、基本的には外すと戻せないものがほとんどな為です。
その為シールドの取り付けは、別にラバーシールドタイプのベアリングを用意して撮影しています。
パチッと指ではめるだけで取り付け完了です。
ウィールに組み込む
トラックのアクスルシャフトに、ベアリング、ウィールの順に入れます。
その後、上から手で奥まで押し込むと、カチッとウィールとベアリングがはまります。
片側はまっている状態なので、一度ウィールをトラックから取り、もう一つのベアリング、スペーサー(入れる場合)、ベアリングのハマっていない側に向けたウィールを入れます。
そして、同じように上から手で押し込みます。
ウィールをデッキに取り付ける
トラックに、ワッシャー(スピードリング)、ウィール、ワッシャーの順で取り付けます。
そして最後にアクスルナットを締めて、完成!
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