ベアリングとは、ウィール(車輪)の内部に組み込むパーツです。
1つのウィールに2つのベアリングを装着するので計8個で1セットです。
ウィールとトラックのアクスル(シャフト・軸)との摩擦抵抗を減らし、ウィールをスムーズに回転させる役割があります。
身の回りの様々なものにもベアリングは使われていますが、スケートボードには専用のベアリングというものが使われています。
価格は数千円~1万円を超えるものもあり、スケートボードのパーツの中で一番価格差があります。
良いベアリングほどスピードが落ちにくく耐久性もあるので、長く快適にスケートを楽しめます。
消耗品ながら奥の深いパーツですので色々なものを試してお気に入りのベアリングを見つけましょう。
ここではベアリングの構造を紹介していきます!
ベアリングを構成するパーツ
- ボール
- ボールケージ・リテーナー
- アウターリング
- インナーリング
- シールド
- スペーサー
ボール
ベアリングのボールとはベアリング内部に入っている球体のことを指します。
原理的などの難しい話しはここでは割愛しますが、このボールがあることによって高速でスムーズな回転を得ることができます。
素材は金属製が一般的ですが、軽量で耐熱性に優れたセラミック素材のベアリングは速くて長持ちですが、価格が高くなります。
ボールケージ・リテーナー
ボールケージはリテーナーとも呼ばれていて、ベアリング内部のボールを等間隔に離した状態で保持しているパーツです。
金属製や樹脂製があります。
ベアリングの破損は、多くの場合このボールケージが衝撃で破損してしまうことが原因です。
ボールがベアリング内部で、バラバラになってしまいスムーズにスケボーが走らなくなってしまいます。
アウターリング・インナーリング
ベアリングのアウターリング・インナーリングは、ともにリング状のパーツです。
内側と外側から、挟み込むような形でボールを支えます。
シールド
シールドとは、ベアリング側面を覆うパーツで、異物の侵入を防止し中の潤滑剤を逃がさないように取り付けられています。
金属やゴムでできていて、ほとんどのスケートボード用ベアリングではシールドが取り外し可能になっています。
日々のスケーティングによりベアリング内部に異物が溜まったり、オイル切れを起こしてしまうため、定期的にシールドを取り外してメンテナンスをすることが望ましいとされています。
近年、メンテナンスのしやすさからシールドを外した状態で使用するスケーターも出現していて、”シールドレス”と呼ばれるシールドが最初から装備されていないベアリングも販売されています。
スペーサー
スペーサーとは、ウィールに取り付けた一対のベアリングの間に挟み込むようにして装着するパーツです。
ベアリング同士の平行を保つことで、ベアリングの性能を引き出したり長持ちさせます。
柔らかいウィールを使用することが多い、ロングボードやクルーザーでは絶対に必要なパーツです。
しかし、ストリートボードではあまり重要視されていないのが現状です。
というのも、ストリートボードでは硬いウィールを使用することがほとんどなので、ウィールのゆがみはベアリングに影響しない程度で、そもそもアクスルナットもキツく締めないのでスペーサーによる恩恵を受けにくいのです。
僕自身は装着していますが、あえて装着しないスケーターもいるほどなので、スペーサーが付いていないからといってあまり心配する必要はありません。
ベアリングのタイプ
ベアリングには大きく分けてオイルタイプのベアリングとグリスタイプの2種類があります。
どちらも同じ形状なので一見して違いは分かりませんが、ベアリング内部に使用されている潤滑剤の性質が異なります。
オイルベアリング
オイルタイプのベアリングは、粘度が低い(サラサラの)オイルを使用しているため高速回転に特化しています。
デメリットとしては、オイル切れを起こすので定期的にオイルを補充する必要があることです。
グリスベアリング
グリスベアリング は、粘度が高いためオイル切れの心配が無くメンテナンス不要です。
しかし、抵抗が大きいため回転が遅くなります。
メンテナンス
ベアリングオイル を使用します。
ベアリング内部のオイルはボールとその周辺の部分に被膜を作ることで、摩擦抵抗を減らし摩耗や防塵、冷却などの効果があります。
オイル切れを起こしたベアリングをそのまま使用し続けると、摩擦抵抗が増える→摩擦熱により金属部分が膨張→ベアリングの破損…ということになっていまいます。
これを防ぐためにはグリスタイプのベアリングを使用するか、オイルベアリングの場合は定期的な(1~2月に1回)メンテナンスをする必要があります。
このときベアリングに充填するのが、スケートボード専用のベアリングオイルです。
オイルは容量の小さいもので500円程度で購入できますし、使い方にもよりますが半年近くもつのでぜひ一本持っておきましょう。
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